【感想】『発達障害の子どもたち、「みんなと同じ」にならなくていい。』障害の有無ではなく、一人一人に合った生き方ができれば良いと思う

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株式会社LITALICOの代表取締役社長である長谷川敦弥さんの著書『発達障害の子どもたち、「みんなと同じ」にならなくていい。』を読みました。

この本は、僕自身が発達障害を知るきっかけ、自分自身が発達障害だと知るきっかけにもなった「LITALOCOワークス」で見かけてから、ずっと読みたかった本でした。読みたかったけど、読まなかったのは、本屋さんに行ってもこの本の存在を思い出せなかったからです(笑)なので、今回読めてよかったです。

何度も頷きながら読むくらい、内容にも、長谷川さんの考え方にも納得しました。良書かどうかはわかりませんが、僕にとって一つ大きなきっかけになる本だったことには間違いありません。

ということで、簡単に感想を書いてみようと思います。

本の内容

内容はひとまずこんな感じです。

発達障害のポジティブなとらえ方、障害のない社会のつくり方―発達に課題のある子どもたち8000人が通い、さらには待機児童が何千人もいるという人気の教室「LITALICOジュニア」。著者は「教室に来る子はみな独創的で、将来の可能性を感じさせる子たち」と語る。本書では、発達障害という「個性」を伸ばすためのヒントから、多様な人が活躍できる「障害のない社会」のつくり方までを提唱していく。

(引用 『発達障害の子どもたち、「みんなと同じ」にならなくていい。 (SB新書)』裏表紙)

タイトルは、子どもを持つ親向けになっているんですが、内容としては、発達障害や精神障害(うつ病など)で悩む大人、そういった人たちと関わる人向けになっています。

著者である長谷川さんが社長を務める「LITALICO」のサービスや、長谷川氏本人の体験談を元に書かれているだけに、比較的わかりやすい内容です。これは、会社のビジョンにもなっている「障害のない社会をつくる」という言葉からもわかるように、この本自体も、障害を持っている人だけではなく、多くの人に届いてほしいという想いが込められている証ではないかと思います。(勝手な憶測ですがw)

障害を持つ人が読むもよし、そういった人と関わる人が読むもよし、その親が読むもよし、まったく関係がない人もよしのないようになっていることは間違いありません。

感想

非常に読みやすくて、共感が多い内容でした。

この本を通して感じたのは、こんなことです。

  • 障害者にとって障害が苦ではなく、それを是としてない社会が苦であるということ
  • 長所を生かすも殺すも、周りの人(=社会)次第であるということ
  • 生き方は人の数だけあるし、それを認めなければいけない

障害者にとって障害が苦ではなく、それを是としてない社会が苦であるということ

これは障害者という立場になって非常に強く感じます。

僕自身、ADHD(注意欠如多動性障害)という障害を診断されていますが、それ以前は「障害はそれ自体が苦」だと思っていました。「言語障害でしゃべれないって辛そう…」とか「自分の足で歩けないって辛そう…」とずっと思っていました。

ですが、この本を通して、そして自分が発達障害を診断されてからのことを考えてみて感じるのは、「障害それ自体は苦ではない」ってことと、「障害であることを打ち明けられない、認めてもらえない社会にいることが苦である」ってことです。

障害それ自体が苦ではないというのは、障害を持っていることが障害者にとっては当たり前だからだと思います。僕は、小さい頃から集中力がなく、注意散漫で、物忘れが多いです。周りから見ると一見生き辛そうに見えるかもしれません。

ですが、小さい頃からそれが当たり前である僕にとっては、集中できないことも、注意が散ることも、忘れ物してしまうことも、別に苦ではないんですよね。むしろそれを前提に生きているので、集中できてしまうことや注意が一つに絞られてしまうことが苦に感じてしまったり、怖かったりもします。

そして、いざ自分が障害を持つ側の人間になってみて、社会はまだ障害を受け入れていないことに気が付きました。もちろん、バリアフリーや障害者施設はありますし、就職もしやすくなってきていることは間違いありません。ですが、それでも社会として受け入れきれていないことは事実だと思います。

自分たちと違うと遠ざけてしまったり、自分ができることができないと溜め息をついてしまったり、障害という言葉を聞いただけで自分とは別次元の人として接したり(変に低姿勢みたいな感じ)と、意外と社会はまだ障害を受け入れていないんですよね。

まぁこれから少しずつでも障害の認知が広がれば、社会も変わっていくんだろうと思うんですが、そのためには障害者自身が自分のことを伝えられるようになることも大切ですし、LITALICOのような企業が社会に影響を与えていくことも必要なんだろうと思います。

長所を生かすも殺すも、周りの人(=社会)次第であるということ

「長所を伸ばしましょう!」みたいな言葉を良く聞きますが、これを体現できている人(社会)は少ないように感じています。これは障害を持つ持たないに関係なく感じます。

というのも、日本では長所を活かそうとする前に、短所を治そうとする考えが強いからだと思います。

もちろん、短所を治すことが悪いことではないと思います。できるならばそうするべきですし、それが簡単にできるなら苦労はしません。ですが、短所ってそう簡単に治らないですし、治そうとするのってかなり苦痛です。

短所を無理矢理治そうとするのはただの苦行になるのであれば、長所を伸ばすに限ります。そして長所を見つけ、伸ばすためには、周りの人がそれに気づき、伸ばすために協力しないといけないんですよね。

障害を持つ人にとって短所は治すことが困難な部分です。だからこそ、周りの人が長所を見つけ、それを伸ばしてあげること、それに協力してあげることが、障害者が社会で生きていくためには必要なことなんじゃないかと思います。

この本にも書かれていますが、長所を伸ばすことで、短所が治ることってあります。短所を探すことは簡単ですし、それを指摘するも簡単です。ですが、そうではなく長所を伸ばすことで、それを克服する手だてがあるってことも頭に置いておく必要があるかもしれません。

生き方は人の数だけあるし、それを認めなければいけない

十人十色。なんて言葉がありますが、本当にこの意味を理解し、納得している人ってどのくらいいるんだろう?と疑問に思うことがあります。

というのも、多くの人は誰かの生き方を羨み、妬み、自分の生き方に自信を持っているように感じないからです。

もちろん、僕自身もそんな時期がありました。ですが、発達障害と診断され、これまで上手くいかなかったことや、努力ではどうにもならないことの理由を知り、一方で、他の人よりも優れている部分を知ることで、誰かを羨む無意味さや妬む愚かさを感じました。

障害を持っていようが、持っていなかろうが、人にはそれぞれ生き方があって、それは誰かに口出しされることではないんですよね。もちろん、法を犯したり、誰かを傷付けることはあってはなりませんが、そうでないならどんな生き方をしたって良いと思います。

障害を持っている人の生き方に口出しするってことは、障害を持っている人を見て、羨ましいってことなんですよね。自分の人生が上手くいかないからって、口出しするなんて野暮ですよね。

みんなが生きやすい世の中になるためには、いろんな生き方を認めないといけないんだと改めて感じました。

さいごに

『発達障害の子どもたち、「みんなと同じ」にならなくていい。』の感想を書いてきました。

僕はどこかで「できないことはダメなこと」って思っていました。人と違う自分を認めながらも、どこかで劣等感を感じて自分を出すことを拒んでいました。でも、その人と違うことやできない自分の原因が発達障害だとわかり、心がスッとしました。

というのも、できないのは僕の努力不足じゃないとわかったからです。そして、もう無理に頑張らなくていいんだと感じたからです。

人と違っていいし、無理に人と同じになる必要も、できないことを無理してできるようになる必要もない。自分らしくありのままに生きていこうと思わせてくれる良い本でした。

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