【読書感想】『自閉症の生徒が親と教師に知ってほしいこと』から学ぶ子どもとの向き合い方

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自閉症というと、どこか普通とは違うと感じている人は多いと思います。もちろん、僕もその一人でした。

ただ、最近自閉症をはじめ、障害をもった子どもたちを関わるようになって、少々考え方が変わりました。考え方は変わったんですが、どうしても接し方は健常児と同じになってしまい、彼らに対して失礼な、不適切な対応を取っているのではないかとどこかで感じていました。

そんなときに出会ったのが、エレン ノットボムの『自閉症の生徒が親と教師に知ってほしいこと』でした。一人の自閉症の子どもを持つ親として、教師や親はどうあるべきなのか?子どもは彼らに対してどんなことを思っているのか?ということを、明確に、かつわかりやすく記されている本でした。

僕自身、モヤモヤしていた部分が多かったですが、読み進めていく中でどんどんスッキリした気持ちになっていくように感じました。

障害を持つ子どもに関わらず、子どもを持つ親、子どもと接する機会が多い教師の人には、ぜひ一度読んで欲しい一冊です。

本の内容について

では、まず本の内容について簡単にまとめようと思います。

まぁ簡単にまとめようとすると、まさにタイトル通りになってしまうんですが、自閉症という発達障害を持つ子どもの視点で、教師や親に知っておいてほしいことが書かれています。ただ知っておいて欲しいというよりも、自閉症を持つ子どもに接するときには、こんな気持ちで接して欲しい、こんな接し方だと僕たちには不具合があるといった知識よりも意識付けに近い内容になっています。

章別だとこんな感じになっています。

はじめに

自閉症の生徒から親と教師への10のメッセージ
第一章 学びは循環していく だれもが教師であり生徒なんだ
第二章 ぼくたちはチームだ 成功するかどうかは一緒にやっていくぼくたちしだい
第三章 ぼくはちがった考え方をするんだ ぼくにとって意味のある教え方をして
第四章 行動はコミュニケーションだ あなたのも、わたしのも、わたしたちのも
第五章 誤作動や文字化けで、わけがわからなくなる 効果的に伝えなければ学習はありえない
第六章 ぼくをひとりの人間として教えて 僕は“壊れた”部分とか“欠けた”部分とかの集まり以上のものだ
第七章 好奇心をたくさんもってほしい
第八章 あなたを信頼していいですか?
第九章 信じることのちから
第十章 僕に“釣り”を教えてほしい 能力のある大人として見て、その姿を想像して

(引用 『自閉症の生徒が親と教師に知ってほしいこと』目次より)

これまでの自閉症関係の本は、親目線、教師目線、医師目線と大人の目線で書かれていました。ただ、実際に自閉症なのは親でも、教師でも、医師でもなく、子どもなんですよね。そう考えると、この本を出す意味、この本のもたらす意味の大きさには誰にでもわかると思います。

もちろん、子どもが書いたわけではなく、親である作者が子どもの目線で書いた本ですが、かなり目線を子どもにまで落として書いてあります。多少読みにくい表現、文章のところもありますが、これまでの自閉症の本とは一線を画す内容担っていると思います。(とはいっても2012年の本ですが…)

感想

読み終えて最初に感じたのは、「あぁ…、彼ら(自閉症の子ども)に失礼なことしてたな…申し訳ない」でした。冒頭でも書いた通り、考え方としてはわかっているのに、いざ接するとなると健常児と同じように接していて、どこか思い通りにしようとしている自分がいたなーと申し訳なさを感じざるを得ませんでした。

そういう意味では、いいタイミングでこの本に出会えてよかったと思います。

子どもに教えるとは?

僕は指導員として、自閉症の子どもをはじめ障害を持つ子どもたちと関わっていますが、子どもに何かを教える際はどうしても一方通行になりがちです。まぁこれは僕に限ったことではなく、周りの指導員の人も、先生も似た感じだとと思います。

でも、この本を通して、それって間違ってるんだよねってことに気づかされました。間違ってるというよりも、適切ではないよねって感じかもしれません。

彼らに教えるためには、彼らについて知る必要があるんですよね。別の言い方をすれば、彼らから学ばないといけないし、彼らからも教えてもらう必要があると言うことです。

もちろんこれは自閉症だからということではないと思います。健康的な子どもに対しても、その子がどんな子で、どんなことが得意で、どんなことが苦手で、どんな伝え方をすれば理解してくれて、どんな考え方をしてなど知る必要があると思います。それが自閉症などの障害を持つ子どもならなおさらだよねってだけの話。

大人が子どもに何かを教えるときは、ついつい頭ごなしで、上から目線になりがちですよね。

だけど、それだと子どもには伝わりにくいわけです。僕たちだって小さい頃は大人の言ってることを理解するのが難しかったはずなのに、いつからかその感覚を忘れてしまうんですよね。

なので、自閉症の有る無しに関わらず、子どもに何かを教える際は、子どものことを理解しようと好奇心を持つことが必要なんですよね。

自閉症の子どもとしてよりも、一人の子どもと接する必要性

自閉症と診断された子どもと接すると、どうしてもそのレッテルを意識するあまり、子どもという認識ではなく、自閉症の子どもとして接してしまいがちです。

一人の子どもである前に、自閉症が先にきてしまう。これっておかしいですよね。でも、そうやって認識してしまう現実。正直、この本を読む前の僕は、確実に自閉症の子どもとして接していました。

自閉症だろうがそうでなかろうが、彼らは一人の子どもなんですよね。なので、他の子どもと同じように接しなければならないんです。もちろん、接し方、教え方なんかは考えないといけませんが、それだって自閉症だからというわけではなく、子どもに応じて違うだけの話なんですよね。

病気や障害があるとそればかりに目がいってしまい、一人の人間であることを忘れてしまうことがありますが、子どもに限らず、相手が大人であっても、接する際には、一人の人間として接する必要があるんだと改めて感じさせられました。

生活を支え続けてあげるよりも、自立できるようにしてあげる必要性

自閉症に限ったことではないですが、障害と聞くと、親としては「一生養っていかなければ…」と思う人も多いと思います。もちろん、障害によってはそうかもしれません。

ただ、最初から養い続ける、生活を支え続ける前提で接するのと、自立して欲しい、自立できるようにと思って接するのでは、結果は変わってくると思います。それは子どもにとって選択肢が広がるということだと思います。一人暮らしができるようになれば、親元を離れて仕事もできますし、結婚もできるようになります。子どもの選択肢が広がることは、親の選択肢を広げることにもなりますよね。

障害を持っているからと、自立した生活を諦めるのではなくて、障害を持っていての自立して生きていって欲しいと思って接することは、親として、指導するものとしては必要なことなんじゃないかと思います。

こんな人に読んで欲しい

自閉症の子どもを持つ親御さんには読んで欲しいですが、そういった子どもと接する先生や指導員の人にももちろん読んで欲しいです。

この本に書かれていることって正直自閉症を持つ持たないに関係なく、子どもと接する上で大切なことがかなり凝縮されていると思います。なので、子どもと接する機会がある人にも読んでもらいたいです。

まぁ翻訳されてる分、やや読みにくい箇所や理解が難しい部分がありますが、そこは自分の経験に照らし合わせたり、実際に経験する中で考えたり、学んでいけばいいのかなーと思います。

さいごに

『自閉症の生徒が親と教師に知ってほしいこと』という本の感想について長々と書いてきました。(まぁ僕のブログの中では軽めの記事ですがw)

自閉症という障害は、まだまだわからないことが多いです。それにわかっていることが、その子に当てはまるとも限らないのも、難しいところです。だからこそ、子どもを理解しようとしないといけないですし、その子にあった伝え方や教え方をしないといけないんですよね。

そのためには、子どもに対して好奇心を持つことが大事ですし、この子ならできると信頼する必要があるんですよね。ただ子どもが好きだからというだけではなく、子どもを理解しようとする気持ちが、障害を持つ子どもと接する上では大切なんじゃないかと思います。

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