お年寄りに席を譲ってみて感じたこと/断られて考えたこと

先日、はじめて電車でお年寄りに席を譲ろうと声をかけました。

これまでは優先席であろうと席を譲ったことなんてなくて、そして、今回は優先席に座っていたわけでもないですが、座席を譲ろうとおばあちゃんに声をかけました。結果として「次で降りるから」と断られたんですが、いろいろと考える良いきっかけになりました。

今回は、誰かに席を譲るということについて少し考えてみたいと思います。

なぜこれまで席を譲ろうと思わなかったのか?

まずは、これまでなぜ僕が優先席であっても、席を譲らなかったのかについて話そうと思います。

席を譲らなかった理由は、

  • 優先席に座ってなかったから
  • 疲れていたから
  • めんどくさかった
  • 譲る必要性がわからなかった
  • 先に座ったもの勝ちだと思っていたから
  • 恥ずかしかったから

という感じです。中でも、恥ずかしいというのが一番です。大勢の人がいる中で、見知らぬお年寄りや妊婦さん、障がい者などに声をかけるのが恥ずかしかったからです。

たった一言「席どうぞ」という一言が恥ずかしかったんです。僕には吃音症という言葉に詰まる症状があり、言い難かったということもありますが、それ以上に恥ずかしかった。これに尽きます。

今回なぜ席を譲ろうと想い、行動に移したのか?

これまでも「席を譲ろうかな…?」と想いは持っていました。でも、行動に移せなかったのは前述通り。

では、なぜ今回はその想いを行動に移せたのか?

理由はたった一つ「変わりたかったから」です。

もちろん誰かに席を譲ったからといって、性格や生き方、考え方が変わる訳ではありません。でも、これまで踏み出せなかった一歩をなんとか踏み出してみたかった。その一歩が僕を変えるかもしれないと思ったからです。

もしかしたら、譲ることで感謝されたかったのかもしれませんし、善人のように振る舞いたかったのかもしれません。周りに誰も譲ろうとする人がいなかったから、自分がやらなければという正義感にかられたのかもしれません。

正直なところ、変わりたかったというのは建前かもしれません。でも、たとえその行動に裏があったとしても、心で違うことを考えていたとしても、踏み切ったときの想いは「変わりたかったから」ということに違いありません。

断られたけど…

席を譲るという僕の中での大きな一歩は、「次の駅で降りるから」の一言で断れました。でも、おばあちゃんは断るときに「ありがとうね」と一言お礼をしてくれたんです。その言葉で、僕はなんとなく救われた気がしました。

なんとか勇気を振り絞って踏み出した一歩はたしかに断られる結果になりました。でも、その一歩を踏み出してよかったと思わせてくれたのは、おばあちゃんからの「ありがとう」。そして、おばあちゃんが降りる際にもう一度かけてくれた「ご親切にありがとうね」でした。

断ったおばあちゃんの心理を考えてみる

おばあちゃんは80歳前後で足も細く、立っているのが非常に辛そうだったのに、席には座らず立って一駅分過ごしていました。一駅といっても5〜10分くらいはあり、揺れはしなくても辛かったと思います。

でも、それでもおばあちゃんは立っていることを選びました。

席を譲ろうとして、断られ再び席に着いた僕はその理由を考えていました。「なぜ、断られたのだろう?」と。「私はそんな年じゃない!」とか「まだ元気です!」とか言われるならまだしも、そういった言葉もなかったので不思議でなりませんでした。

そんなときに頭をよぎったのは、立つもの辛そう、座るのも辛そうにしていた祖母の姿でした。足腰が弱くなっているお年寄りにとって、数分だけ座ることは、立ち続けるよりも辛いことなのかもしれません。座り続けるならまだしも、数分だけのために座る、そして再び立ち上がらなければならないのは、非常に辛いことなんだろうと思いました。

もちろんこれが正しい答えだとは思っていません。でも、あのときのおばあちゃんの表情や雰囲気からはそんな感じがしました。

譲るべき人に席を譲るべきなのか?

日本は世界でもトップレベルの高齢化社会です。そのためバスや電車に乗れば、お年寄りに出会うことは少なくありません。もちろん、妊婦さんや障がいを持った人にも出会います。

もし、バスや電車のような公共交通機関で、そういった人に出会った場合、席を譲るべきなのでしょうか?

この疑問に対する答えは人によると思いますが、僕は状況によるとしか言えません。

自分の体調が悪かったり、足を痛めているなら、そもそも譲れないかもしれません。また、元気なお年寄りなら譲る必要性を感じないかもしれません。人がいっぱい過ぎて、譲れる状況じゃないかもしれません。譲ろうとしたら、他の誰かが先に譲かもしれません。

ですが、もし少しでも「譲った方が良いかな…」という気持ちがあるならば、結果がどうであれ、一言声をかけた方が良いんじゃないかと思います。「もしかしたら断られるかもしれない…」と踏み止まるかもしれませんが、その答えは行動してみないとわかりませんし、相手によっても違います。なので、少しでも譲りたいという気持ちがあるなら、ぜひ行動に移してみてください。

直接譲る必要もない

いざ譲ろうと思っても、見ず知らずの人に声をかけるのってやっぱり勇気がいることです。もちろん直接声をかけて、譲ることができれば一番ですけど、できないなら無理に声をかける必要もないと思っています。

そんなときは、自分の席をそっと離れれば良いと思うんですよ。周りからはそっけなく感じられるかもしれませんが、お年寄りや妊婦さんなどを目の前にして堂々と座っているよりは幾分良いと思います。

もしかしたら、その席に若者が座るかもしれませんが、それはまた別の話なので気にする必要はありません。自分にできることを、自分のできる範囲でやればいいんじゃないでしょうか?

さいごに

誰かに席を譲ることはかなり勇気のいる行為でした。大勢の人の前で、自分が席を立ち、誰かに席を譲る。たったこれだけですが、たったこれだけが難しい。恥ずかしくもあります。もちろん、目の前で「そんなに年は取ってない!」なんて怒られたら、赤面ものです。

でも、それでも行動に移すことの重要性を今回は学んだ気がします。

自分の取った行動が正しいか、正しくないのかは、自分では決められません。相手がどう受け止めるかは相手によります。であれば、自分は自分のできることをするだけです。

こんな経験をさせてくれて、いろいろと考えさせてくれて、何もしてないのにお礼をしてくれたあのおばあちゃんには感謝です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください