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吃音(どもり)という悩みを抱えている人の中には、「就職」に苦労している人は多いのではないでしょうか?
面接のときに自分の名前すらまともに言えず、志望動機でも言葉に詰まってしまう。そして、なんとか就職できたとしても電話対応があったり、他部署との内線があったりなど吃音(どもり)を持っていると就職するまで、そして就職してからと悩みは絶えないはずです。
そこで吃音で就職した僕が、その苦悩とそこから見えた解決策を書きたいと思います。
※モヤッとした感じなので、随時追記する可能性があります。
就職するまでの苦悩
吃音(どもり)という症状を持っていると、就職すること自体に苦しむ人は多いはずです。
あいさつが難しい
吃音者にとっての苦悩の一つは、あいさつ言葉がスムーズに出てこないということです。たとえば、
「し、し、し、し、し、し、し、し、失礼します」
「よ…、よ…、よ、よろしくお願いいたします」
就職活動って、面接内容よりも第一印象が大事だって言うじゃないですか。もちろん、服装や髪型、姿勢も見られているとは思いますが、それ以上にあいさつがちゃんとできてるかってかなり見られていると思うんですよね。
なので、あいさつ言葉がすんなりと出てこないって言うのはやっぱり印象が悪いはずです。この時点でマイナスからのスタートになりますし、言えなかったって実感するとそれだけで憂鬱な気持ちになりますねぇ。
自分の名前が出てこない
ただ緊張しているだけの人との違いは、自分の名前が出てこないということでしょう。
僕の場合は、「ナカムラ ユウキ」なので、毎回「ナ、ナ、ナ、ナ、ナ、ナカムラ、ユ、ユ、ユウキです」みたいなしどろもどろした感じでした。なので、面接官からは冷たい目というか「はぁ」とため息をつかれた感じがしていました。
あいさつ言葉がまともにいえなくて、自分の名前すらもまともにいえないとなると、そのあと志望動機でいくらスゴいことを言おうが、いくらスゴい経験をしていようが関係なくなるんですよ。
集団面接と書いてあるだけでエントリーをためらう
僕は「集団面接」という言葉がすでに嫌いです。面接官と向き合ってるだけでも緊張して言葉が出てこなくなるのに、他の学生がいるなんてありえないですね。もう恐怖です。
なので、リクナビなどの就職サイトで、「一次面接は集団で行ないます」と書いてあるとその時点でエントリーすることをためらっていました。その時点で選択肢は激減します。
会社の大小に関わらず、一次面接で集団面接を取り入れている会社は、依然として多くの吃音者にはかなりハードルが高くなってしまうのが現状です。
アドバイスをしてもらってもその通りにできない
周りを見ていると、就職している先輩や会社の人事などからアドバイスをしてもらってる人がいました。
「こういう質問されたら、君だったらこう答えた方がいいよ」
「こういう切り返しができればいいね」
「こんな経験したことも言ってみれば?」
などなど、実に的確で役に立つアドバイスを受けていました。学生にとって働いている先輩からアドバイスをもらえるってかなりアドバンテージだと思うんですよ。で、そのアドバイスを上手く活かして就職活動ができればそれに越したことはありません。
ただ、吃音者だと活かすことができないことが多いのが現状です。
就職してからの苦悩
就職するまでは、内定をもらうことに必死で就職したあとのことなんて考えてられないですよね…。僕が考えていたのは、会社名とか事業名、サービス・商品名をスラスラ言えるかな?くらいでした。就職先の会社名が言えないのでは入社してから苦労するのは明白ですし、自分が関わりたい事業のサービス名とか商品名を言えないのはやっぱり辛いですからね。
それではここからは、僕が実際に就職してから苦労したことについて書いていきます。
自己紹介がとにかく苦痛
新卒として入社したら、最初にするのは自己紹介だと思います。
各部署での研修前、入社前・後の懇親会、配属後など、その都度自己紹介をしなくてはいけませんでした。毎回名前が言えないことが苦痛で、自己紹介が終った後は暑くもないのに汗でびしょびしょなんてことがよくありました。
言葉に詰まる僕を見て先輩たちは「緊張しなくて良いんだよ」って言ってくれるんですけど、別に緊張してるわけじゃないんですよね。緊張とは違うから嫌なんです。緊張しなくていいなんていうなら、自己紹介なんてさせなきゃいいのにって毎回思ってました。
電話恐怖症
新人なら通過しなければいけないのが、「電話対応」でした。仕事のほとんどがメールでの対応と聞いていたので、電話対応があると聞いたときはかなり焦りました。
吃音にとって電話が怖い理由は三つあると思います。
- 電話は話すタイミングを掴みにくいということ(自分のペースで話せない)
- はっきりとしゃべらないと伝わらない
- 突然かかってくる(心の準備ができない)
電話対応は、電話を受けることから始まり、電話をかけること、電話で謝ることなど多岐に渡ります。もちろん会社によっても違うとは思いますが、僕が勤めていた会社はとにかく電話とらない新人はダメみたいな扱いをされたので、毎日会社にいくことが怖かったです。
電話がなる度に体が「ピクッ」と反応しますし、その都度変な汗をかいていました。
こちらから電話をかけるときであれば、心の準備と言うか話すことが決まっているので比較的安心します。けど、相手から突然かかってくる電話は、話す内容が決まってないですし、心の準備ができていないのでかなり言葉が詰まってしまいました。
なので、電話がかかってくる度に怯えて、電話に対する恐怖は日に日に増すばかりでした。
内線恐怖症
電話と同じなんですが、僕は内線がとにかく嫌いでした。
内線が嫌いな理由は簡単で、「名前が言いづらいから」、そして「電話相手が見知った相手だから」です。
電話で完結しているだけの取引先の方が気は楽でした。顔は知らないですし、電話口で笑われていようが会うことはないので恥ずかしくはありません。けど、同じ職場にいる相手となるとそうはいきません。
僕の場合は、近くの先輩にぼそぼそと嫌みを言われたり、クスクス笑われたりしたので、かなり辛かったです。それ以来、自分にかかってきた内線は受けていましたが、自分からはできずに直接話すようにしていました。(内線の意味が全くなかったですね…。)
報告・連絡・相談ができない苦悩
いわゆる「ホウ・レン・ソウ」です。社会人ならできて当たり前的なあれです。
メールでするならかなり楽ですよね。入力するだけですから楽勝です。でも、僕の会社の場合は、一つの仕事が終わり次第随時先輩に報告しないといけなかったんですよ。「○○できました、確認お願いします」って。しかも、横にいるんじゃなくて目の前にいるので名前を呼ばないといけないって言うのが辛かったです。言い易い名前ならまだしも、僕にとって言いづらい名前だったので余計に辛かったです。(手を上げてみたり、先輩が聞くまで待つこともありました)
メール文化とかメッセンジャー機能がこれほど拡大しているのにも関わらず、口頭での「ホウ・レン・ソウ」が存在しているのは吃音者は生きづらいですよね。もう、メッセージだけで完結できる働き方だけになればいいのに…って思っていました。
吃音者が就活するためにやっておきたいこと、やってほしいこと
吃音者は就職活動で本当に辛い思いをします。だって、自分の言いたいことが言えないんですからね。それが就職難という状況で就職しなければならないという追い込まれた状況であればより辛いです。もちろん進学や実家の跡を継ぐ、他のことで稼ぐ力があるなど選択肢があれば良いですが、そうではないのが現実です。
吃音者の中には就職活動が上手くいかず、自殺または自殺未遂になっている人が多くいると聞きます。そのためにも、なんとか吃音者でも同じ土俵に立てるための解決策を考えないといけません。もちろんそれは就職してからのことも見据えて。
履歴書に「吃音」であることを明記する。
面接官が履歴書にどれほど目を通しているのかは知りません。
ですが、履歴書の中で「私には吃音があり、面接時上手く想いが伝えられないかもしれない」ということを明記するのは悪いことではありません。それで落とされる可能性が上がることもたしかだと思います。けど、それで落とすようなら内定をもらって入社できたとしても、その会社で上手くいく保証はありません。
吃音という一種の障害を持っているのであれば、就職してからも安心して働ける環境に身をおきたいはずです。だったら、履歴書に「吃音」であることを記載することは本人にとって良いことじゃないかって思います。
吃音でも「できる」ことを明確にする。
吃音に限らず障がいや病気を持っていると「できない」ことを探してしまいがちです。病気だからこれができない、障がいがあるからあれができないと。
でも、だからこそ「できる」ことを明確にする必要があるんじゃないでしょうか。
雇う側も「できない」ことばかりの人なんて採用しようなんて思わないですよね?電話ができない、人の名前が言えない、ホウレンソウができない、できない、できない、できないって言われたら、逆に「何ができるのさぁ!」ってなりますよ。
なので、「吃音だけどこれはできます!」ってことを明確にしましょう。何でも良いんです。人の話をまとめるのが上手いでも、ニーズを汲み取ることが上手いでもなんでも良いんです。「これができるから、この会社でこういうことができます!」って伝えることができたら、面接の人もわかりやすいですし、就職したあとも研修もしやすく、配属先も選びやすいです。
人事には「吃音」であることを伝えておく
内定がもらえた場合、人事には「吃音」であることを伝えるべきですね。(履歴書で書いてあってもです)
僕は伝えていなかったために、かなり苦労しましたし辛い思いをしました。で、伝えておくべき内容としては、
- どういった場面でどもるのか?
- どういった言葉でどもるのか?
- 仕事でできないことはあるのか?ないのか?
などなど、仕事に関わりそうなことについては報告しておきましょう。万が一伝えていなくてカスタマーサポート、電話対応中心の部署などに配属してしまっては辛いだけすからね。
社内連絡をすべてメッセージにしてほしい
電話対応も内線ももう古いですよね。
吃音に限らず電話が鬱陶しいと考えている人は多いはずです。かかってこれば仕事は止めざるを得ないですし、電話だから話が通じやすいかと言えばそういうわけではありません。それにあの電話の音が嫌です。うるさいです。
電話なんてさっさとやめて、社内連絡をすべてメッセージにすれば吃音者などの言語障害をもっていても働きやすくなるはずです。
採用サイドが「吃音」を認識する。
どうも世間的には「吃音症」というのは理解されにくい症状であると思います。
なぜかというと、誰しもが「どもる」からです。吃音者だからどもるわけではないからです。だから、特別視されにくいです。もちろん特別視して欲しいわけではないですが。異常にどもる人がいるということは認識して欲しいですね。
自己紹介やあいさつでたしかに言葉が詰まって、いい印象を持てないかもしれません。だからと言って不採用にされたのでは納得がいきません。障がい者採用のような特別な枠が欲しいわけではありません。ただ、言葉に詰まったからと言ってはじくようなことがないように、吃音の人にはもう少し耳を傾けるようにして欲しいですね。
さいごに
吃音症があって就職活動が上手くいかなくても、就職してから辛い思いをしても、人生諦めないでください。
たしかに吃音症があるだけで、他の人よりも人生において辛い場面や苦しい場面は多いかもしれません。けど、吃音になったからこそ体験できたこともないですか?人に優しくなりませんでしたか?
吃音者だからこそできることもあるし、吃音者だからこそ変えられる社会ってあると思います。悲観的にならずに、自分には何ができるのか模索してください!会社っていうフィールドじゃなくても活躍できる場所はたくさんあります。ぜひ一緒に頑張りましょう!
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